2012年02月24日

Q.財産を妻一人に相続させる遺言をしたいと思いますが、万一妻が先に亡くなった場合はどうなりますか?


A. 「遺贈(遺言による財産の無償譲渡)」については、民法に規定があり、遺言者の死亡以前に受遺者(遺贈を受ける人)が亡くなっていた時は、遺贈の効力は生じないとされています。この場合、受遺者に渡るはずだった財産は相続財産に戻り、相続人全員の共有になります。
 遺贈に似た「相続人に相続させる遺言」の場合、@遺贈の規定が適用されて無効となるのか、A遺言は無効にならず、代襲相続の規定が適用され、亡くなった相続人の子がその財産を相続するのか、が争われています。@説が有力ですが、A説を採用する裁判例も現れたため、仮に相続人が先に亡くなった場合はその財産を誰に相続させ、または遺贈するのかを予め遺言書に明記しておくケースがあります。このような遺言を「予備的遺言」と呼びます。予備的遺言に該当する事実が発生した時に、相続開始と同時に予備的遺言で指定された相続人に権利移転の効果が生じます。
指定する人が既に亡くなっている場合以外にも、受取りを拒否された場合などにおいても、財産の行き場がなくなるなどその先の対応に困ることのないよう、予備的遺言をしておく方が良いでしょう。


posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 10:53| Comment(0) | 遺言、老後設計など、その他の質問に関するQ&A

2012年02月10日

Q.重度の認知症である父の所有する土地を売ってほしいとの依頼があり、父の療養費に充てるためにも売却を考えています。私が代わりに売却手続きをすることは可能でしょうか?


A.土地を売却するための売買契約の締結や、登記の手続き等については、原則として売買の当事者が行わなければなりません。しかし、認知症により判断能力に問題があるなど、売買当事者が自らこれらの法律行為をできない場合には、「成年後見制度」を利用することによって、他の人が代わりに行うことができます。
 「成年後見制度」とは、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々を保護・支援するため、一定の場合に本人の行為能力を制限するとともに、本人のために法律行為を行い、または本人による法律行為を助ける者を選任する制度です。
「成年後見制度」には、「任意後見」と「法定後見」の2種類があります。「任意後見」は判断能力が衰退する時に備えて予め後見人を選任しておくもの、「法定後見」は既に判断能力が不十分になった人のために家庭裁判所より後見人が選任されるものです。
また、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの分類があります。脳障害や重度の認知症などで判断能力がほとんどないようなケースでは「後見」となり、家庭裁判所で成年後見人が選任されることになります。この場合、まず家庭裁判所に成年後見開始の申し立てを行い、成年後見人を選任してもらう必要があります。成年後見人には親族もなれますが、最近は司法書士や弁護士などの専門家がなるケースも増えています。
そして、家庭裁判所から選任された成年後見人が、本人の代理人として売買契約をはじめとする売買の法律手続きを行うことになります。


20120210-添付ファイル.JPG



posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 09:57| Comment(0) | 遺言、老後設計など、その他の質問に関するQ&A