2013年02月08日

Q.遺言執行者はどのように決められるのですか?


A.遺言者は、遺言で遺言執行者を指定したり、その指定を第三者に委託することができます。遺言執行者を必要とするにもかかわらず、このような指定がない場合には、利害関係人の請求によって、家庭裁判所が遺言執行者を選任することになります。
この際、未成年と破産者は遺言執行者になることができません。その他には、遺言執行者についての資格制限はなく、広範囲の者を遺言執行者として指定することが可能です。
 相続人や受遺者は、遺言に直接的な利害関係を有していますが、これらの者を遺言執行者に指定することも禁止されていません。また、遺言執行者は自然人に限定されている訳ではなく、法人でも構わないとされています。信託銀行などが遺言執行者として指定されるケースもありますし、同族会社が指定されても民法上の制約はありません。ただし、その権限が法律によって限定されている公益法人や税理士法人は遺言執行者になることはできません。
 また、遺言の際に証人や立会人となった者を遺言執行者として指定することも問題ありません。弁護士などが遺言書の作成に関与する場合には、その弁護士などが証人となり、かつ遺言執行者として指定されるのが通例です。


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2013年01月25日

Q.公正証書遺言等の作成時、証人として認められないのはどのようなケースですか?


A.自筆証書遺言を除き、遺言を作成するには、証人や立会人の立会いが必要とされています。公正証書遺言をするには、2名以上の証人の立会いが必要であり、秘密証書遺言では、公証人1名と2名以上の証人の立会いが必要です。
 証人や立会人として欠格となるのは、@未成年者、A推定相続人・受遺者とこれらの配偶者・直系血族、B公証人の関係者です。欠格事由に当たる者が証人となっていたため、法定の証人数を満たせない場合には、その遺言は方式違反となり無効となってしまします。
 注意を要するのは、欠格となる範囲が、直接利害を有する推定相続人や受遺者本人だけでなく、その配偶者と直系血族にも拡大されていることです。例えば、Aが親族関係のないBに遺贈する旨の遺言をする場合に、Aの子の配偶者もBの祖父母も証人になることはできません。身近な親族の中から証人として適切な人物を確保することが難しいときは、遺言書の文案作成の依頼を受けた弁護士等の専門家が証人となるのが通例です。なお、その弁護士が遺言執行者として指定されていても、遺言執行者は承認欠格事由とはなりません。




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2012年11月22日

Q.遺言書における『付言』とはどのようなものですか?


A.遺言本体で決められることは法律で決まっており、ともすると遺産分割の箇条書きになってしまいます。遺言書の中では、遺産分割の内容だけでなく、残されるご家族への思いを伝えることが大切です。
 そこで、遺言書の最後に付け加える『付言』を活用するケースがあります。『付言』には法的効果はありません。大切なご家族に今後も仲良く暮らしてもらうために、これまでの感謝や率直な思いを伝える最後の手紙として活用することで、相続争い回避にも一役買ってくれるかもしれません。


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2012年10月12日

Q.遺産分割前に遺産の不動産から発生した賃料はどうなりますか?


A.遺産は、相続人が複数あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるとされています。遺産分割までの間に、遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる賃料債権は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として取得するものと考え、遺産分割の影響を受けないものとされています。したがって、この際の賃料債権は、各共同相続人にその相続分に応じて帰属するものとして、取得分に応じて各相続人に所得税が課されることになります。
 また、この遺産である不動産の共有割合は、遺言により相続分の指定がある場合は、その指定相続分により、それ以外の場合は、法定相続分によることとされています。


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2012年08月17日

Q. 相続人の担保責任とはどのようなものですか?


A.遺産分割完了後、取得した財産に欠陥(=瑕疵)があることが判明した場合に、その不公正を是正するために、相続人は他の相続人に対し、共同してその不足分を補償する責任を負っています。これが担保責任です。
 ここで問題となる瑕疵は、@相続開始前の原因によるもの、A相続開始後、遺産分割の時までに生じたものが含まれます。したがって、遺産分割後に相続した株式が暴落した場合などはこれにあたらないため、他の相続人はその補償をする必要はありません。
 原則として、共同相続人の担保責任は、遺産分割後に生じた瑕疵には及びません。しかし、債権については、債務者が無資力で債権の額面金額まで弁済されないときは、それにより被った損害については、各共同相続人がその相続分に応じて分担します。弁済不能額の把握は、債権の弁済期が遺産分割時までに到来している場合は遺産分割時、債権の弁済期が遺産分割時までに到来していない場合は弁済期に行うことになります。
 担保責任は、共同相続人全員で取得した財産の額に応じ、公平に負担すべきものですが、遺言により排除または制限することも可能性です。


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2012年08月03日

Q.相続財産の管理はどうやって行えばよいのでしょうか?


A.被相続人の遺産は相続人が管理する必要があります。だたし、例外として利害関係人に損害を及ぼす恐れがあることなど、相続人に遺産の管理を委ねることが不適当なときは、利害関係人または検察官の申立てによって、家庭裁判所が相続財産管理人を選任することになります。
 相続を放棄した場合には、初めから相続人ではなかったものとみなされますので、遺産管理をする必要はありません。しかし、放棄によって次順位の者が相続人となる場合には、その次順位の相続人が相続財産の管理を開始するまでは、放棄した者は遺産の管理を継続する義務があります。
 相続人が複数いるときは、各相続人が相続分に応じて、遺産全体について権利を持っていますので、遺産を共有している場合と同じように扱う必要があり、共同で管理することになります。
 一口に「管理」といっても、法的にはその内容に応じて、@遺産の現状を維持するための「保存行為」、A遺産を利用したり改良したりする「管理行為」の2つに区分されます。相続人が一人しかいない場合は、いずれも単独で行うことができます。相続人が複数いる場合、「保存行為」は単独で行うことができますが、「管理行為」を行うには相続分に応じた過半数の合意が必要となります。
 また、株式を現金に変えたり、現金を株式に変えたりするような行為は、法律上「管理」ではなく「処分」にあたり、相続人全員の同意がなければしてはならない行為です。遺産の一部でも「処分」してしまうと、あとから被相続人の多額の債務が発見されたときなどに、限定承認や相続放棄する権利を失ってしまうため、安易な遺産の処分は禁物です。
 それぞれの行為の詳細については、下記の表を参考にして下さい。


20120803-添付ファイル.JPG

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2012年07月20日

Q.亡くなった父の未支給の年金を受取る場合は、相続財産に含めなければならないのでしょうか?


A.未支給年金は故人が生前に受けていた年金を、遺族が相続開始後に受け取るものです。国民年金法では、年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがある時は、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者は、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができると規定しています。
 また最高裁判決でも、「相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付を認めたものであり、死亡した受給権者が有していた右年金給付に係る請求権が別途相続の対象となるものではないことは明らかである。」としています。
 未支給年金は、遺族が給付を受けるべき未支給の年金受給請求権の行使であり、本来の相続財産には該当せず、支給を受けた遺族の一時所得となります。


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2012年06月08日

Q. 相続の際には、連帯保証人の地位も相続しなければならないのでしょうか?


A.連帯保証人の地位も、他の財産と同様に相続人が承認した場合には承継することとなります。ただし、債務の限度額や期間について定めのない連帯保証契約については、保証人の地位が特段の事情がない限り当初の連帯保証人限りとなり、連帯保証人の死後生じた債務については、相続人が承継するものではないとされています。
 相続人が複数いる場合は、各相続人が法定相続分に応じて分割された額の債務を承継することとなり、その額について他の連帯保証人と連帯して責任を負うこととなります。
 
 保証債務や連帯債務は、それを承継した時点では偶発債務であり、確実な債務ではないため、相続税法上一般に債務控除が認められません。ただし、そのような連帯債務であっても、以下の要件を満たす場合には、「確実と認められる債務」として、相続税の課税財産から控除されます。
 @連帯債務のうちで、債務控除を受けようとする者の負担すべき金額が明らかに
なっている場合にはその負担額
 A連帯債務者のうちに弁済不能の状態にある者がいて、かつ求償しても弁済を受ける
見込みがなく、当該弁済不能者の負担部分についても負担しなければならない
場合には、当該弁済不能者の負担部分の金額

なお、主たる債務者が弁済不能な状態であり、かつ保証債務の金額が財産の額を上回る場合には相続を放棄することにより、連帯保証人の地位を承継しないことができます。


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2012年03月09日

Q. 私には相続人がいないのですが、その場合は私が死亡した後、財産はどうなるのでしょうか?


A.相続人がいないとは、被相続人(亡くなった人)に配偶者、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹(甥姪を含む)がいない場合をいいます。戸籍上で相続人がいない場合であっても、直ちに相続人がいないとは断定されません。例えば、内縁の妻との間に子供が生まれ、相手側の戸籍に出生が届けられていた場合には、いくら被相続人の出生から戸籍を揃えても見つけることはできません。この場合の子(非嫡出子)には相続権があります。このように、まず本当に相続人がいないのか捜索することになります。
 実際の手続きとしては、下記の手順となりますので、参考にして下さい。


20120309-添付ファイル.JPG

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2012年02月24日

Q.財産を妻一人に相続させる遺言をしたいと思いますが、万一妻が先に亡くなった場合はどうなりますか?


A. 「遺贈(遺言による財産の無償譲渡)」については、民法に規定があり、遺言者の死亡以前に受遺者(遺贈を受ける人)が亡くなっていた時は、遺贈の効力は生じないとされています。この場合、受遺者に渡るはずだった財産は相続財産に戻り、相続人全員の共有になります。
 遺贈に似た「相続人に相続させる遺言」の場合、@遺贈の規定が適用されて無効となるのか、A遺言は無効にならず、代襲相続の規定が適用され、亡くなった相続人の子がその財産を相続するのか、が争われています。@説が有力ですが、A説を採用する裁判例も現れたため、仮に相続人が先に亡くなった場合はその財産を誰に相続させ、または遺贈するのかを予め遺言書に明記しておくケースがあります。このような遺言を「予備的遺言」と呼びます。予備的遺言に該当する事実が発生した時に、相続開始と同時に予備的遺言で指定された相続人に権利移転の効果が生じます。
指定する人が既に亡くなっている場合以外にも、受取りを拒否された場合などにおいても、財産の行き場がなくなるなどその先の対応に困ることのないよう、予備的遺言をしておく方が良いでしょう。


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