2012年11月09日

Q.小規模宅地等の特例が使えないケースとはどのような場合ですか?


A.小規模宅地等の特例については、2010年4月から適用要件が厳格化されました。それに伴い、従来であれば相続税のかからないようなケースでも、納税が必要になるケースが増えています。
 小規模宅地等の特例とは、自宅の土地や自分が経営する会社、工場の土地、アパートや駐車場経営などを行っている土地について、相続税評価額を50%減額又は80%減額できるという制度です。自宅の土地に80%の減額が適用されれば、大半の人は相続税がかからなくなると考えられるだけに、適用の有無は大きな影響を与えます。
 従来であれば、何人かで相続する場合も、相続人に配偶者か同居の親族がいれば、相続人全員が80%減額の特例を利用することができました。たとえ、全員別居でも50%の減額が受けられました。しかし、適用要件の厳格化により摘要の可否は相続人ごとに判断されることになり、自宅を所有し別居している子は原則、特例の適用対象外となりました。
 また、同居でも玄関が別で屋内でも行き来できない構造の二世帯住宅は原則別居扱いとなることや、有料老人ホームで亡くなった場合(被相続人の生活の場であった土地の相続が対象となるため)など、特例を使えない例が目立ってきています。この場合、特別養護老人ホームであれば、介護のために一時的に滞在する場所と位置づけられ、生活拠点は自宅と解釈されるケースもあるなど注意が必要です。要件等の詳細を下記の表にまとめていますので、参考にして下さい。


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posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 17:32| 相続税に関するQ&A

2012年10月26日

Q.最近耳にする「家族信託」とはどのようなものですか?


A.2007年に信託法が改正されたことにより、一般家庭の「自宅や老後資金」の財産管理や承継に役立つ、小規模な「家族信託」が可能となりました。
 まず一般に、「信託」とは委託者(財産所有者)が、受託者(財産の管理を行う人)に委託者の財産を移転し、受託者はその財産を委託者との契約により定めた一定の目的に従って管理処分をし、その財産から生じた利益は受益者に配当するという仕組みです。
 この仕組みを活用することで、母親の家を長女に信託(所有権を長女に移転)し、長女は母親の自宅を管理しながら、母親をその自宅に住まわせるということが可能となります。このような信託を家族信託と言います。家族信託には上記のような「遺言代用の信託」以外にも、受益者の死亡後は次の受益者へというように連続して受益者を指定する「跡継ぎ遺贈型の受益者連続信託」や、障がいのある子を受益者として財産を遺す「福祉型」というものもあります。
 家族信託を利用することで、生前は自分が財産の利益を享受しながら、死後の相続はスムーズに進められるよう備えることができます。信託を利用した場合にも、委託者の死亡時には相続税が課税されますので、遺留分等に十分配慮した設計を行うことが必要です。


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posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 11:10| 相続税に関するQ&A

2012年10月12日

Q.遺産分割前に遺産の不動産から発生した賃料はどうなりますか?


A.遺産は、相続人が複数あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるとされています。遺産分割までの間に、遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる賃料債権は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として取得するものと考え、遺産分割の影響を受けないものとされています。したがって、この際の賃料債権は、各共同相続人にその相続分に応じて帰属するものとして、取得分に応じて各相続人に所得税が課されることになります。
 また、この遺産である不動産の共有割合は、遺言により相続分の指定がある場合は、その指定相続分により、それ以外の場合は、法定相続分によることとされています。


posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 09:51| Comment(0) | 遺言、老後設計など、その他の質問に関するQ&A

2012年09月28日

Q.被相続人の還付加算金が相続財産に含まれるというのは、どのような場合ですか?


A.被相続人の受取るはずであった還付加算金については、被相続人の死亡時期により課税関係が異なってくるため注意が必要です。
 例えば、被相続人が1月1日から3月15日までの間に死亡し、前年分の確定申告書を提出して、予定納税額等の一部の還付を受ける場合です。申告所得税の納税義務は暦年の終了時に成立するとされていて、還付申告となる場合の還付金請求権についても同様であると考えられます。したがって、還付加算金についても暦年終了後は被相続人の債権として潜在的に成立していると考えるのが相当であり、被相続人の死亡時までの期間に係る還付加算金は、相続税の課税価格に算入されます。
 しかし、被相続人が8月に死亡し、相続人が被相続人に係るその年分の所得について準確定申告書を提出し、7月に納付した予定納税額のうち一部の還付を受けた場合の還付加算金は、相続人が確定申告書の提出によって原始的に取得するもので、被相続人からの相続によって取得するものとは認められないため、相続人の所得税(雑所得)の課税対象となり、相続税の課税価格に算入されません。


posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 09:49| Comment(0) | 相続税に関するQ&A

2012年09月14日

Q.相続税の申告では更生の請求を行うケースが多いとのことですが、どのような場合に行うのでしょうか?


A. 一般に更正の請求とは、申告書を提出した者が、その提出後に課税価格や税額が過大であることに気付いたため、それを是正するために、法定申告期限の1年以内に限り、その課税価格や税額を適正な数値に訂正するように所轄税務署長に「更生の請求書」を提出することをいいます。ただし、法定申告期限の1年経過後であっても、裁判の確定などの事由が生じたときは、その事由が生じた日の翌日から起算して2か月以内に更生の請求をすることができます。
 下記のような事由が生じた結果、課税価格及び相続税額が過大となった時は、その事由が生じたことを知った日の翌日から4か月以内に限り、更生の請求により税額の是正を図ることができます。
 更生の請求に基づく更生により、税額が軽減されたことで生じた過納金に関しては、起算日(更生の請求があった日の翌日から起算して3月を経過する日と更生があった日の翌日から起算して1月を経過する日とのいずれか早い日の翌日)から還付の支払決定日又は充当日までの期間の日数に応じ、年4.3%の割合で計算した還付加算金が付されます。


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posted by 税理士藤田事務所相続専門チームQ&Aブログ at 10:01| Comment(0) | 相続税に関するQ&A