2012年08月31日

Q.相続税申告後、遺産分割協議をやり直した場合の課税はどうなりますか?


A.民法上は、共同相続人の全員が既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議を行うことは問題ないとされています。
 税法上は一般に、当初の分割により共同相続人に帰属した財産を分割のやり直しにより再配分した場合には、配偶者の税額軽減の適用が可能な「分割」には該当しないとされています。その場合、分割のやり直しによる相続人間の財産のやり取りは、贈与に該当するものとされます。ただし、期限内申告書又は期限後申告書を提出した者が、一定の事由により既に確定した相続税額に不足額が生じた場合には、修正申告書を提出することができます。この一定の事由に該当する場合の修正申告は、申告期限後の事実に基づいて行うものですので、延滞税や過少申告加算税は課されません。
 例えば、相続税の申告後に被相続人名義の定期預金等が発見された場合に、既存の相続財産については分割の対象とはせずに、新たに発見された定期預金のみ相続人間で分割して相続し、増加した財産につき各相続人がそれぞれ修正申告を行うのであれば、相続税本税の増加分に加え、延滞税が課税されます。もし、既存の相続財産についても分割の対象とし、相続人間でやり取りを行った場合には、当初の取得者からやり直し後の取得者への贈与と認定され、定期預金に係る相続税の課税に加え、贈与税の課税も生じることとなります。なお、法定申告期限から1年以内である場合には、更生の請求が認められる余地があります。


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2012年08月17日

Q. 相続人の担保責任とはどのようなものですか?


A.遺産分割完了後、取得した財産に欠陥(=瑕疵)があることが判明した場合に、その不公正を是正するために、相続人は他の相続人に対し、共同してその不足分を補償する責任を負っています。これが担保責任です。
 ここで問題となる瑕疵は、@相続開始前の原因によるもの、A相続開始後、遺産分割の時までに生じたものが含まれます。したがって、遺産分割後に相続した株式が暴落した場合などはこれにあたらないため、他の相続人はその補償をする必要はありません。
 原則として、共同相続人の担保責任は、遺産分割後に生じた瑕疵には及びません。しかし、債権については、債務者が無資力で債権の額面金額まで弁済されないときは、それにより被った損害については、各共同相続人がその相続分に応じて分担します。弁済不能額の把握は、債権の弁済期が遺産分割時までに到来している場合は遺産分割時、債権の弁済期が遺産分割時までに到来していない場合は弁済期に行うことになります。
 担保責任は、共同相続人全員で取得した財産の額に応じ、公平に負担すべきものですが、遺言により排除または制限することも可能性です。


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2012年08月03日

Q.相続財産の管理はどうやって行えばよいのでしょうか?


A.被相続人の遺産は相続人が管理する必要があります。だたし、例外として利害関係人に損害を及ぼす恐れがあることなど、相続人に遺産の管理を委ねることが不適当なときは、利害関係人または検察官の申立てによって、家庭裁判所が相続財産管理人を選任することになります。
 相続を放棄した場合には、初めから相続人ではなかったものとみなされますので、遺産管理をする必要はありません。しかし、放棄によって次順位の者が相続人となる場合には、その次順位の相続人が相続財産の管理を開始するまでは、放棄した者は遺産の管理を継続する義務があります。
 相続人が複数いるときは、各相続人が相続分に応じて、遺産全体について権利を持っていますので、遺産を共有している場合と同じように扱う必要があり、共同で管理することになります。
 一口に「管理」といっても、法的にはその内容に応じて、@遺産の現状を維持するための「保存行為」、A遺産を利用したり改良したりする「管理行為」の2つに区分されます。相続人が一人しかいない場合は、いずれも単独で行うことができます。相続人が複数いる場合、「保存行為」は単独で行うことができますが、「管理行為」を行うには相続分に応じた過半数の合意が必要となります。
 また、株式を現金に変えたり、現金を株式に変えたりするような行為は、法律上「管理」ではなく「処分」にあたり、相続人全員の同意がなければしてはならない行為です。遺産の一部でも「処分」してしまうと、あとから被相続人の多額の債務が発見されたときなどに、限定承認や相続放棄する権利を失ってしまうため、安易な遺産の処分は禁物です。
 それぞれの行為の詳細については、下記の表を参考にして下さい。


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2012年07月20日

Q.亡くなった父の未支給の年金を受取る場合は、相続財産に含めなければならないのでしょうか?


A.未支給年金は故人が生前に受けていた年金を、遺族が相続開始後に受け取るものです。国民年金法では、年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがある時は、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者は、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができると規定しています。
 また最高裁判決でも、「相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付を認めたものであり、死亡した受給権者が有していた右年金給付に係る請求権が別途相続の対象となるものではないことは明らかである。」としています。
 未支給年金は、遺族が給付を受けるべき未支給の年金受給請求権の行使であり、本来の相続財産には該当せず、支給を受けた遺族の一時所得となります。


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2012年07月06日

Q. 農地の相続に関して、納税猶予制度があると聞きましたが、どのようなものですか?


A.農地等についての相続税の納税猶予制度とは、農業を営んでいた被相続人から相続または遺贈により一定の農地等を取得した相続人が、その農地等を引き続き農業の用に供する場合、当該農地等の価額のうち農業投資価格を超える部分に対応する相続税について、納税を猶予する制度です。農業投資価格とは、農地等が恒久的に農業の用に供されるとした場合に通常成立すると認められる取引価格として所轄国税局長が決定した価格をいい、通常の宅地評価額の数十分の一から数百分の一に過ぎないため、相続税額を大幅に抑えることができます。
 この農地等の納税猶予は次のいずれかに該当することとなった場合には、その納税が免除されます。
 @特例の適用を受けた相続人が死亡した場合
 A特例の適用を受けた相続人が、この特例の適用を受けている農地等の全部を贈与税の納税猶予が適用される生前一括贈与をした場合
 B特例の適用を受けた相続人が相続税の申告期限から農業を20年間継続した場合
  特例を受けるための適用要件については、下記の表を参考にして下さい。


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